公認会計士 CFOへの道

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資産処理 SAP 基本

doshでございます。

今日は資産処理の基本となる取得処理についてSAPの機能を紹介します。

大前提として、資産に関する仕訳は全て資産マスタの登録を行います。

理由
固定資産は一般的に多額であり、長期間に渡って使用されすぐに全額が費用計上されず、
減価償却費という形で使用期間に渡り費用化されます。
そのため、途中で使うのをやめたり売却することも考えられ
その際には特別損失や利益が発生します。
また、償却資産税といった税金も固定資産にかかってくるので
会計だけではなく、現物そのものの管理は重要となるのが理由です。


建物を1,200,000円(耐用年数5年で均等償却とする)を現金で取得した場合の仕訳はどうなるでしょうか。

仕訳
建物 1.200.000 / 現金 1,200,000

仕訳は非常に単純で文房具などを購入した時と同じです。
ちなみに文房具100円を現金で購入した場合の仕訳は
文房具 100 / 現金 100
文房具代は費用計上され、現物はあるものの、
長期管理の必要はないから固定資産とはなりません。

このように、固定資産の仕訳も文房具等の費用計上の仕訳と形は全く同じだが、
資産マスタという形でシステム上登録・管理する必要があるという点で
実務上は大きな違いがあります。

では、その資産マスタにはどのような情報を登録するのか。
以下、簡単な説明とともに列挙します
・資産名称…文字通りその資産の 名前です
・備考…名称が長すぎるとわかりにくくなるので補足説明的な役割です
・製造番号…同じようなものをたくさん買った場合は特定するため製品や製造番号を登録します
・稟議番号…先に述べたとおり、固定資産は通常高額なため、稟議を起案(経営者など偉いさんへのお伺い)する必要があるため
その情報もいれておきます
・取得日…資産を取得した日です。ちなみに、費用かの開始日(償却開始日)とは異なることもあります
・支払日…資産を購入するのに現金が出て行った日です。例の仕訳では現金払いにしましたが
繰り返しになりますが高額なので、普通は振込みです
・費用計上部門…減価償却費が計上される部門を登録します
・設置場所…現物管理が重要になるため、どこにおいてるのかを管理するために登録します
・申告先市区町村…償却資産税の申告先を登録します。納税する際に使用します
・取得形態…資産の取得は購入だけとは限りません。たとえば、もらった場合でも現物管理などは変わらず必要ですし、
建設仮勘定という特殊な科目から振り返られる可能性もあります。よって、形態を登情報として登録します。
・ 購入先…どこの業者から買ったかを登録します
・新規取得か中古か…新規と中古では物自体に違いはないかもしれませんが、同じものでも耐用年数が変わるため情報として登録します
・資産分類(償却資産税用)…会計上の科目と償却資産税の申告上科目とは異なることがありますので、税用の科目を登録します
・減損金額…固定資産には減損会計というものがあります。減損をすれば資産の価額が変更されますのでこちらも登録します。
もちろん、買った瞬間減損てことはないのであとで登録することにはなりますが、詳細は改めて紹介します。
・償却方法…固定資 産の減価償却にはよく使われるものとして大きく定額法と定率法があり、どっちをとるかにより費用金額がかわります
どうやって償却するのかを登録しておき、自動で減価償却計算をします
・耐用年数…その資産をどれだけの年数使えるかを登録します。その期間にわたり減価償却します
・償却開始日…減価償却計算を開始する日(月)を登録し、その月から償却計算が開始されます

このように、列挙すると非常に多くの情報をひとつの資産に対して登録することになります。
そのため、一見文房具などと購入したときの仕訳は同じですが 、固定資産の管理は取得後の処理を含め煩雑なのです。

当然、固定資産の始まりは取得ですので今回はこの辺にいたしますが、
除却や売却、はたまた移動、減損処理など多くの処理が待っていますのでまた改めて紹介したいと思います。

ではでは